ゴールデンタイムの視聴率 | プロ野球の視聴率を語るblog

ゴールデンタイムの視聴率

前回のエントリーではHUT=総世帯視聴率と巨人戦ナイターの視聴率との比較を行いましたが、それに対して「総世帯視聴率以上に(野球中継に限らず)テレビ番組単体での視聴率は下がっている」という反論がありました。

 

そこでHUTが載っていたサイト から調べてみたところ、テレビ局ごとの視聴率としては以下のようになっていました。

 

    NHK NTV TBS CX* EX* TX* 平均

2001 13.0 15.4 13.9 14.0 10.2 *8.4 12.5

2002 13.9 15.2 13.4 13.2 10.5 *8.0 12.4

2003 12.1 14.0 12.6 13.8 11.3 *8.3 12.0 

2004 12.7 13.4 12.9 13.7 11.9 *8.3 12.2

2005 12.1 12.7 12.8 14.3 12.6 *8.2 12.1 

2006 11.7 11.9 12.7 14.1 11.4 *8.4 11.7

2007 12.1 12.1 11.7 13.8 11.5 *8.3 11.6

2008 13.1 12.4 11.2 13.3 11.4 *7.7 11.5

2009 12.2 12.5 *9.5 13.6 11.0 *7.1 11.0

2010 11.8 12.3 *9.8 12.6 11.5 *6.1 10.7

2011 11.5 12.7 10.0 12.5 11.7 *6.0 10.7

2012 11.5 12.1 *9.5 10.9 12.4 *6.8 10.5

2013 10.7 12.1 *9.7 10.5 11.8 *7.2 10.3

 

これを見ると、HUTと比べてテレビ局ごとの平均視聴率は随分下がっているように見えます。

 

 

HUT=総世帯視聴率は、調査対象世帯で一台でもテレビがオンになっていればその世帯でテレビを見ているとカウントされます。

それに対して、番組ごとの視聴率は複数のテレビがある世帯において、二台のテレビで例えばNHKと日テレの番組を見ていた場合、両方が視聴されたとカウントされることになります。

 

HUTはそれほど下がっていないのにテレビ局ごとの視聴率は下がっているということは、以前は家庭内で2-3台テレビがオンになっていたものが、今では1台しか稼働していない時間が増えているのでは?ということが考えられます。

 

 

なお、これと巨人戦ナイターの年間平均視聴率を単純に比較するのは出来ません。

前回も書いたのですが、もう少し詳しく書いておきます。

 

プロ野球中継の視聴率は、春先は高いのですが夏から秋にかけてどんどん低下していくという傾向があります。

まだ中継数が多かった2006年のころの推移を出しておきます。

 

 

       3月  4月   5月.  6月  7月.  8月.  9月   10月  年間   中継/ナイター/試合数

2006  14.7  12.6  11.1  *9.2  *7.2  *6.8  *7.0  //./  *9.6     106-137-146

 

 

そのため、各テレビ局は春先のみナイター中継を行うようになり、夏以降はほとんどカットされるようになりました。

今年のナイター中継数(予定も含む)です。

 

 

4月 8試合(3/28の開幕戦含む)

5月 4試合

6月 3試合

7月 2試合

8月 2試合

9月 2試合    

 

 

数字がまだ取れる春先の中継数が多く夏以降が少なくなっているのに、それらの「平均」をとっても全試合中継していたころとは比較できないですよね。

 

とはいえ、前回のような「中継数×視聴率」のような指標では、「プロ野球の社会における存在感」の目安にはなっても、テレビ番組の平均視聴率と比較するには不適当です。

 

そこで今回は、「3・4月の野球中継の平均視聴率」と「テレビ番組全体のG帯平均視聴率」とを比較してみることにしました。春先の3・4月であれば野球中継もそれなりに放送はされていますし、経年変化を調べることはまだ可能なサンプル数と言えなくもないかなと…。本当は06年は22試合も中継されていたのに、今年は8試合まで減ってしまっているので違いはあるのですが。(全体の中継数が少なくなると、数字が高く出るNHK中継分の影響が大きくなり多少上に引っ張られます)

 

なお、2010年まではビデオリサーチが「プロ野球巨人戦ナイター中継」 の月ごとの平均視聴率をまとめたページを作っていたのですが、ナイター中継があまりに減少したため2011年以降はそのページがなくなりました…。そのため2011年以降は手元のデータでの計算になっています。

 

   3・4月視聴率

01 17.7%

02 17.5%

03 16.2%

04 15.0%

05 12.9%

06 12.7%

07 10.9%

08 10.4%

09 12.2%

10 *9.7%

11 10.1%

12 *9.6%

13 *9.7%

14 *8.4%


3・4月

 

グラフを見ると、やはりナイター中継視聴率の06年までの低下のペースは著しく、それ以降はテレビ全体の視聴率と同程度に低下しているように見えます。

09年のみ上がっていますが、これはWBC効果というやつなのでしょうw

逆に、今年は急に下がっているように見えます。理由はよくわかりません。

テレビ全体の視聴率については、今年の分のデータはまだ出ていないのですが、ここまで急に下がることはないと思われます。来年以降の経過が気になるところです。

 

 

まとめますと、

 

・テレビ全体の視聴率はやっぱり少し低下しており、ナイター中継の視聴率もそれと同程度に下がっている

 

ということになるかと思います。