2005プロ野球視聴率テクニカルレポート その4
<オールスター、日本シリーズの視聴率>
オールスターの視聴率は2試合平均11.1%であった。
03年、04年の14.5、15.1%に比べると一段と低下している。
日本シリーズについては、昨年に比べると回復しており、『千葉ロッテブーム』などと言われている。
今回、オールスターと日本シリーズについて年度ごとに平均視聴率の直線近似をしてみた。
両者とも、傾きが-1.4程度になっている。
日本シリーズについては、巨人が出場した年とそうでない年とで視聴率に大きな差があることが知られており、それらについて別々に直線近似をしてみた。
こちらも、きれいに傾きが-1.4で揃っている。
この-1.4という数字が、「一般的な野球人気の低下速度」と言えるかもしれない。
今年については、『巨人が出場しない年』の近似直線を上回ってはいるが、同様に2003年も上回っている。
この2年については、阪神が出場した年という共通点がある。
2003年と2005年を結んだ直線の傾きは-2.20となっており、首都圏における阪神人気の低下速度は、一般の-1.4より速いといえるかもしれない。もっとも2回しかないのと、対戦相手の影響(03年はダイエー、05年はロッテ)もあるが…。
同時期の巨人戦レギュラーシーズンの視聴率推移を見てみると、近似直線の傾きは-1.05となっており、上記の-1.4という数字よりも絶対値が小さい。
これから考えると、『巨人人気が落ちただけ、野球人気は上がっている』という議論は、少なくとも関東圏では正しくない、ということも出来るかもしれない。